『米蔵夫婦のレシピ帳』作品紹介|料理マンガで描く愛と再生のヒューマンドラマ (Komekura Couple’s Recipe Book: A Heartwarming Culinary Drama of Love and Renewal)

作品紹介(Introduction)
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作品概要

  • タイトル:米蔵夫婦のレシピ帳
  • 作者:高瀬わか(原作)/西村ツチカ(作画)
  • 連載開始:2023年(コミック誌「月刊!スピリッツ」)
  • 既刊巻数:全5巻
  • ジャンル:ヒューマンドラマ/料理/日常
  • 連載状況:完結
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あらすじ

主人公・米蔵卯之助は、妻・りほ子を亡くして以来、心にぽっかりと穴が空いたように暮らしていた。


そんなある日、りほ子が生前に残していた「レシピ帳」を見つける。

料理が得意ではない卯之助は、妻の味を再現しようと試みるものの、なかなかうまくいかない。


焦がしたり、味が違ったり――けれど、そのたびに思い出すのは、食卓を囲んで笑っていた日々。

レシピを通して、りほ子との思い出、そして自分自身と向き合う時間が始まる。
やがて卯之助は、亡き妻の優しさにもう一度触れながら、“料理”を通じて少しずつ心を取り戻していくのだった。

面白ポイント・感想

不器用なおじさんの“料理奮闘記”にクスッと笑える

卯之助は、これまで家事も料理もすべて妻・りほ子任せ。だから、料理なんてしたことがない。


そんな彼が妻の遺したレシピ帳を頼りにキッチンに立つも、最初は失敗の連続。


だし巻き卵はぐちゃぐちゃ、ポークソテーは硬くて子どもに全残しされる…。


料理をする人なら思わず「あるある」と笑ってしまうような不器用さが、温かくもリアルに描かれています。


失敗した料理を食べながら「おいしくない……」と1人心の中で呟く姿は、切なさと可笑しさが同居していて印象的です。

亡き妻の“知らなかった顔”に出会うやさしい時間

物語が進むにつれ、卯之助はりほ子の家族や旧友と出会い、彼の知らなかった“りほ子の姿”を知っていきます。


りほ子は天真爛漫で、ちょっとぶっ飛んでいて、でも周りを自然と笑顔にしてしまうような人だった。


彼女の思い出を語る人たちとの交流を通して、卯之助は新しい角度から妻を知り、彼女の生きた証を一つひとつ辿っていくような、やさしくて温かい物語が紡がれていきます。

料理マンガとは一味違う、心の再生ドラマ

『米蔵夫婦のレシピ帳』は、ただの料理マンガではありません。


亡くなった妻が残したレシピ帳を頼りに、主人公・米蔵卯之助が料理を作りながら、少しずつ心の傷を癒していく物語です。

料理を通して妻との思い出を辿り、時に失敗し、「なんか違う」と言われながらも、懸命に再現しようとする姿が胸を打ちます。


作るたびに思い出されるのは、妻との温かな記憶だけではなく、自分のことばかりで妻を思いやれなかった後悔や、もう二度と会えない悲しみ。けれど、それでも彼は料理を続けることで前へと進もうとします。

妻を心から大切にしていたのに、病気になってからは怖くて会いに行けなかった――そんな後悔を抱えながら、それでも妻の味を再現することで“もう一度、彼女と向き合う”。


その姿は切なくも力強く、読者の心を深く揺さぶります。


奥さんを失って打ちひしがれる彼の姿はとても痛ましいのに、同時に「もう一度元気になってほしい」と応援したくなる。


静かで温かく、人生の再生を描くヒューマンドラマとしても秀逸な作品です。

こんな人におすすめ

  • 心温まるヒューマンドラマを読みたい方
  • 家族愛・夫婦愛をテーマにした作品が好きな方
  • 料理を通じた“人のつながり”を感じたい方
  • 静かな感動を味わいたい方

まとめ

『米倉夫婦のレシピ帳』は、“料理×夫婦愛×再生”を丁寧に描いた人間ドラマ。
おいしそうな料理描写と、不器用だけど真っすぐな愛情、そして少しずつ前を向いていく姿が心を打ちます。

読後には、きっと「誰かのために料理を作りたい」と思えるはず。
大切な人を失った喪失感や、そこから立ち上がる勇気を描いた物語が好きな方には特におすすめの作品です。

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